活動報告
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定例研究会
国際教育や教育全般にわたるテーマで研究発表、事例報告と意見交換を行う定例研究会を年に5回程度開催しています。所員ばかりではなく、ゲストスピーカーを招いての発表・報告が行われます。参加者は、岡山理科大学などの大学関係者をはじめ学校関係者、公務員、大学院修了生、企業関係者など多岐にわたっています。
令和7年度第2回定例研究会
- 日時:
- 令和7年8月30日(土)15:00~16:30
- 場所:
- 加計学園前島研修所 オンライン併用ハイブリッド形式
発表1
「SFのバベルの塔を超えて-中国SF雑誌『世界科幻動態』の挑戦-」
- 発表者
- 楊 霊琳(岡山理科大学教育推進機構・准教授)
- 概要
- 2015年、中国のSF作家である劉慈欣(1963―)がSF小説『三体』でヒューゴー賞を受賞したことを契機に、中国ではSF分野への関心が高まり、国家レベルのSF情報誌『世界科幻動態』が創刊された。発表者はその雑誌の在日特任編集委員として、本発表で同誌を紹介するとともに、現在の中国SFの発展状況について述べた。本誌はSF小説を掲載するのではなく、世界各地の最新SF情報を収集・翻訳して中国の読者に発信する「メタ的」媒体であり、SF小説、映画、ゲーム、アニメなど多様なジャンルを対象としている。創刊号では日本の円谷プロやフランスのコロナ禍下のSFを取り上げ、以降も欧米のみならず日本、韓国、アフリカなど幅広い地域を紹介してきた。現在までにすでに26か国のSF関連情報を掲載している。とりわけ「各国巡礼」欄ではアフリカ未来主義やノンモ賞を特集し、従来言説の周縁にあった地域を積極的に取り込んでいる。また、日本SFについても小田雅久仁や小川哲らの作品や評論を紹介し、翻訳者・研究者の寄稿や『SFマガジン』編集部への取材も行っている。このように『世界科幻動態』は言語の壁を越え、世界SFの多極化を映し出す窓口として、中国SFの国際的共鳴を推進する役割を担っていることを、本発表の最後に示した。
発表2
「DX時代の生涯学習支援における遠隔教育の有効性に関する実証研究」
- 発表者
- 岡部一光(両備ヘルシーケア・DX推進アドバイザー)
- 概要
- 本研究は、日本語学校のDX化を視野に入れた「生涯学習支援システム」の有効性を検証する実証実験である。遠隔教育の導入により、家庭学習とのシームレスな連携、個別最適化された学びの実現、教員の業務効率化が期待される。システムは、情報リテラシーの向上を目的としている。
実証実験では、企業関係者とその子ども計60名を対象に、個人学習(システム使用)、共同学習(仮想教室)、テキスト学習の3グループに分けて2ヶ月間の学習を実施。ポストテストの結果、共同学習グループが最も高い学習効果を示し、統計的に有意であることが確認された。また、アンケート調査では因子分析の結果、「楽しさ」「興味・関心・意欲」が理解力向上に寄与することが示され、共同学習のメリットやシミュレーション機能への高い評価が得られた。さらに、KeyGraph(テキストマイニング)による議論の可視化を通じて、学習者間の活発な対話と理解の深化が確認され、「誰一人取り残さない学び」の可能性が示された。
今後は生成AIを活用した仮想共同学習環境の構築により、家庭学習でも学習者の関心と意欲を高める支援が期待される。
公開講座・研修会
加計学園フィロソフィの「国際人を養成する」ための公開講座や研修会等を開催し、学園全体の国際交流・グローバル教育に関する理解を深め、国際社会に貢献できるマインドや資質能力の育成を図ります。
広く市民に向けた公開講座を開催し、学園の実施する各種の国際交流プログラムの周知を図る広報活動を展開する予定です。
オンライン公開講座(3月1日)
- 日時:
- 2025年3月1日(土) 16:00~17:00
- 場所:
- オンライン(ZOOM)形式
国際教育研究所では、以下の要領でオンライン公開講座を開催しました。
1.日時:2025年3月1日(土)16:00~17:00
2.講師:倉敷芸術科学大学危機管理学部長 村山公保教授
3.演題:生成AIの進化と活用法 ~仕事と生活にどう役立てるか~
4.対象:原則として加計学園教職員
5.形式:オンライン(ZOOM)
6.参加費:無料